経営者の悩みの一つに、営業担当者の格差があります。
できる営業とそうでない営業の力の差が縮まれば営業の業績が上がるのにと思うこともしばしばではないでしょうか?
できる営業のやり方を全営業に導入すれば、力の差がなくなるのではないかと試してみたものの上手くいかない。
営業担当者の格差がなくなることはないと諦めているのではないでしょうか? 今回は、営業格差をなくし、みんな売れる営業になる方法をご紹介します。
営業の課題はたくさんありますが、ここでは、そのうちの代表的な6つを紹介します。
・営業活動が属人化している
・顧客管理ができていない
・営業の進捗状況が把握できていない
・営業成績に差がある
・新規開拓が上手くいっていない
・人材育成が上手くいっていない
日本企業の営業方法は、見込み客との出会いから成約まで一人の営業担当者が行います。
営業で一番苦労するのは人間関係の構築です。これができるかできないかが営業力の差になります。
また、既存客のフォローをしながら新規客開拓もするので、年間にすれば多くの新規客を獲得することが難しくなります。
営業部門の管理職が、部下全ての顧客を管理できているでしょうか?
5人の営業担当者がいれば、大小織り交ぜると顧客数もそれなりにあります。そのすべての顧客と顔を合わせて面談した吏、メールで連絡を取ったりしているでしょうか?
中小企業であれば、管理職自身も顧客を持っていることが多く、部下の顧客まで把握できないのが現状ではないでしょうか?
それだけではありません。
業務のミスや顧客とのトラブルが発生していても気づかず、事態が深刻化してしまうこともあります。
部下の顧客が、今、どのような仕事の進捗か把握できていいないため、目標売上を達成できるかの予測が立たない。
営業日報はあるものの、顧客の仕事の詳細までは書かれていないので把握ができない。また、書かれていたとしても状況の把握ができないなど仕事の進捗を把握するのは困難です。
どんなに優秀な営業担当者が集まっても、いずれ成績の差は出ます。
パレートの法則の通りに2割の担当者が8割の売上を上げ、8割の担当者で2割の売り会下を上げています。
先にも述べたように、属人化した営業スタイルの場合に起こることです。
しかし、MAツールを活用することで、パレートの法則から抜け出すことができます。
営業担当者任せにしていると新規開拓は難しくなります。
既存客のフォローだけでも手が一杯なのに、新規開拓までする時間はありません。たとえ、既存客からの紹介であっても、時間が取られるので困難のものです。
まして、飛び込みやテレアポ、交流会の出会いからの開拓となると、時間がいくらあっても足りません。
一方、こんなデータもあります。
一日の営業時間のうち、お客様と接触している時間20%しかありません。60%は資料作り、残りの時間は社内業務に割り当てられています。
営業のシステムを変えて、お客様との接触時間を増やすようにすれば、新規開拓も進むかもしれません。
教育担当者も自身の営業活動があるため、人材育成に時間が割けないことが一番の理由です。
かといって、教育センターで研修を終わらせてきたからといって、すぐに戦力になるわけではありません。
教育担当の営業の時間を確保するのが良い方法といえます。
営業の課題を放置しておくと以下のようなことが起こります。
・新規顧客を開拓できずに売上が低下する
・既存顧客をフォローしきれず、リピーター離れを起こす
・組織の属人化が進み、一人ひとりの負担が重くなる
・急な休暇や退職に対応できず、企業運営に支障をきたす
・一部の従業員に売上達成の可否を依存する
既存客はいつまでも存在しているものではありません。倒産や業績低下により取引が亡くなることもありますし、競合他社に仕事を取られる場合もあります。
だから、新規開拓が必要になるのです。
しかし、営業担当者任せの新規開拓をしていると、新規顧客数は伸びず、少しずつ売上が落ちていくことになります。
営業担当者におんぶにだっこでは、既存顧客のフォローがおざなりになり、顧客からの不満が出て、取引の縮小や停止になりかねません。
特に、多くの顧客を抱えている営業担当者ほどこの傾向は強くなります。
営業部の下に営業○課として組織を構築している企業がほとんどですが、担当エリアや商品によって分けられているだけで、営業担当者の負担は、何ら変わりありません。
新規客の開拓は、出会いから成約までを、既存客のフォローをしながら行うわけですから、年間に開拓できる数も僅かです。
しかも、新規開拓してくるのは一部のできる営業担当者です。必然的にキャパシティーを超えてしまうので、既存客が離れたり、売上が減少する企業が出てきます。
営業が属人化していると、担当者が体調不良で休んだり、退職することになったりしたときに支障をきたします。
仕事の進捗がわからない
顧客の要望がわからない
次の案件のことがわからない
依頼されていたことが解らない
など、顧客に迷惑をかけることになります。迷惑をかけるだけならよいのですが、代わった担当者が、先方とそりが合わず売上が減少するという例は多々あります。
先にも述べたパレートの法則からわかるように、2割の営業担当者に売上を依存しているケースがほとんどです。
彼らが退職したときには、売上も減少してしまうという苦い経験をしてきた経営者も多いのではないでしょうか?
営業の課題を解決する方法の一つとして、営業支援ツールを活用することです。
一般的には営業DXといわれるものです。
MA(Marketing Automation)ツールやSFA(Sales Force Automation)ツールを使って」営業活動を推進するものです。
MAツールは、顧客を育成するツールで、SFAは顧客を管理するツールです。
この2つを組み合わせた営業活動をマーケティングDXといいます。しかし、重要なのはリード(見込み客)の獲得です。
リードを獲得する方法としてアナログとデジタルがあります。
アナログとは、従来の営業御やり方です。
展示会に出展する、テレアポを取る、セミナーを開催する、交流会で名刺交換するといった手法です。
デジタルとは、WEBサイトを中心に、広告を出稿、SNS投稿、SEO対策、ウェブセミナーなどに取組み、デジタルを使ってリードを獲得する手法です。
営業業績を上げるために最も必要なことは商談数です。
企業が集客に取組む理由は、リードを獲得して商談数を増やしたいからです。しかし、リード獲得は簡単ではありませんし、リードが獲得できたからといって、すぐに電話連絡すると引かれてしまいます。
前述したように、デジタルを駆使してリード獲得する営業手法です。この方法は、営業をしながら取り組めるようのものではありません。
専属の部署がないと取り組むことは困難です。
営業部を1課、2課、3課として分けるのではなく、マーケティング部門、企画部門、顧客連携部門、営業部門と4つ部門に分けて、それぞれ専門の役割を担います。
マーケティング部門は、リード獲得。企画部門は、リード育成、顧客連携部門は、アポの獲得や営業部門の既存客のフォロー、営業部門は、商談とクロージング、既存客フォローです。
デジタル営業に取組むのは、マーケティング部門です。
この部門の役割は、デジタルを駆使してリードを獲得することです。リード数が増えれば増えるほど商談数は増えます。
だから、マーケティング部門は、リード獲得に注力する必要があるのです。
・良質なコンテンツを作成する
・SNSに投稿する
・広告の出稿
・WEBサイトの分析と修正
・広告結果の分析と修正
・ウェブセミナーの企画と開催
・ホワイトペーパーの作成
・動画作成
など、することはたくさんあります。一人でできる仕事量ではありません。
広告を出稿しても、SNSに投稿しても、誘導先はWebサイトです。ですから、WEBサイトには、訪れてくれたユーザーに有益になる情報を掲載することです。
そうすれば「この企業は有益な情報を提供する」と思ってもらえ、メルマガ登録やホワイトペーパーをダウンロードすることでユーザーの情報を残してもらうことができます。
MAツールの役割は、リードの育成と管理です。
デジタル、アナログで集めたリードを興味関心度によってランク分けし、ランク分けしたリードごとに興味度を上げてもらえるような内容のメールを配信します。
開封度合いによって、リードをスコアリングすることができるので、決めたスコアになるとリードがランクアップしていきます。
最高ランクで決めたスコアに到達すれば、顧客連携部門がアポを取り営業部隊につなぎます。
営業部門は、商品の知識と導入の事例があれば商談に臨みクロージングすることができます。営業で力量の差が出る「出会いから提案・見積」までをMAが担ってくれるので、営業マンの力量に差が出にくくなります。
経営者の悩みである営業担当者の力量の格差は、デジタルマーケティングに取組み、MAツールを導入することで解決することができます。
しかし、2021年現在の国内企業のMA導入率は1.2%と少なく、アメリカ企業の71%とは比較になりません。
そのためには、今までのように営業担当者任せにするのではなく、営業部内の役割分担が必要になります。
リード獲得、リード育成、アポ獲得、商談・クロージングと分業化することで、営業の生産性はアップします。
また、営業担当者も自社の商品を熟知し、導入事例を知っているだけで商談に臨み、成約することができるので、営業のレベルも均一化し、みんなが売れる営業になることができます。